死化粧(エンゼルメイク)について

死化粧と感染リスク

感染リスクは、死化粧を行う前や化粧直しの際の死後の処置に起こります。顔、頭部の死後の処置とは、医療器具抜去後の手当て、創傷の手当て、清拭、口腔ケア、鼻腔・口腔の詰めものなどをいいます。生体(生きている体)の化粧と死化粧を行う際の最も大きな違いは、死化粧には死後の処置が伴うという点です。
死後の処置の感染リスクは、湿性の目視できる血液、体液、排泄物、嘔吐物等との接触がある場合は感染リスクが高く、それらとの接触がない場合は低いと考えます。多くの場合、ユニバーサルプレコーション(標準予防策)に基づく感染予防対策上の死後の処置を実践することで、家族をはじめご遺体に携わる従事者の安全が守られます。
ご家族が化粧をされる場合は、感染は問題になりません。死化粧をされることは稀ですし、死後の処置を伴うことがほとんどないからです。

【葬祭業従事者等が死化粧を行う場合】

葬祭業従事者やメイク従事者等は、日常的にご遺体に携わります。死化粧を行う前には、鼻腔、口腔の詰めものなどの死後の処置を行います。また、化粧をした後、時間が経過してから鼻腔、口腔から体液の流出や出血が起こるなど、死後の処置が必要となる場合があります。死化粧に携わる人は、医療従事者に準じ、ユニバーサルプレコーションに基づく感染予防対策の実践が必要です。

【葬祭業従事者、メイク従事者等が、顔・頭部の死後の処置を行う状況】

・鼻腔に汚れや血液が付着している。
・鼻腔、口腔から血液、体液が流出している。
・嘔吐物がある。
・口腔粘膜や口唇から出血がある。
・頭髪、顔に血液の汚れがある。
・頭部、顔に出血を伴う傷がある。
・口腔から臭気を感じる。
・詰めものによって鼻腔の形が損なわれている。
・詰めもの、入れ歯によって口腔の形が損なわれている。
・解剖によって口腔の形状が損なわれている。
・肌や頭髪に汚れがある。
・死後の処置が行われていない。

【感染予防対策が必要な理由】

死後の処置を伴うことがある。
死亡から時間が経過したご遺体に携わる。
腐敗や損傷があるご遺体に携わることがある。

【感染予防対策のポイント】

ディスポーザブルグローブ(使い捨てグローブ)を着用して行う。
作業後は、液体石鹸と流水による十分な手洗いを行い、手を乾燥する。

【その他留意事項】

■化粧品、化粧用具は清潔に心がける。
ヘアブラシなど洗浄できるものは、洗浄し乾燥する。
化粧バッグや化粧品など洗浄できないものは、湿式清掃する。
■血液、体液等が付着した脱脂綿等のごみは、事業所に持ち帰り事業ごみの可燃物として廃棄する。

感染予防対策上の死後処置の詳細は、下記の文献を参照ください。
「遺体に携わる人たちのための感染予防対策および遺体の管理」
医事出版社 ICHG研究会編


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