開催日時
4月9日 21時~22時30分
出 者 者
・遺体感染管理士2種(葬祭業)17名
神奈川県(2名)、群馬県(3名)、石川県、徳島県、和歌山県(2名)、
広島県、静岡県、東京都(2名)、福岡県、山形県、徳島県、香川県
・遺体感染管理士(医療従事者)8名
和歌山県、奈良県(2名)、長野県(2名)、長崎県、千葉県、大阪府
オンライン座談会は、遺体感染管理士2種17名、遺体感染管理士8名のご参加をいただきました。座長は橋本佐栄子が務めさせていただきました。途中、画像、音声ともに良好で、通信が途切れることなく無事にオンライン開催ができました。遺体感染管理士認定資格養成講座にご来講以来、久しぶりにお会いした方もあり、お元気そうなお顔を拝見できたことをうれしく、また、情報を共有できたことを感謝申し上げます。
葬祭業は、新型コロナウイルスの感染拡大により、二つの課題をかかえています。一つは、葬祭業の搬送業務時の安全に対する課題です。もう一つは、ご遺族・ご会葬者の安全のための式場の環境に対する課題です。オンライン座談会では、参加者がお住いの地域での近況をお話しいただきました。また、主催者からは、葬祭業従事者の感染予防対策についてお話いたしました。
●参加者の現状報告 搬送時の感染予防対策について
・DICM認定資格養成講座を受講して以来、ディスポーザブルグローブを着用している。
・感染症の有無にかかわらず、すべてのご遺体を納体袋に納めて搬送している。
・自分はディスポーザブルグローブを着用しているが、ほとんどの社員は素手で携わっており、危険意識 が低くい。
・感染症指定医療機関へ、引継ぎについて問い合わせたが、納体袋は常備していない、病名については公 表しないとの回答だった。葬儀社が納体袋を持参することになるのか?政府は、医療機関に情報提供す るようコメントしているが、現状は、それを知らない病院があり、どのように搬送することになるのか が不明だ。
・直接、健康衛生課へ医療機関の対応をたずねた。葬祭業は、普段ディスポーザブルグローブを着用する 習慣がない(感染予防対策を実施していない)ことを説明したが、現時点では、医療機関へ、「納体袋(非透過性、密封)に納め、納体袋を消毒剤する」は伝えていないとのこと。納体袋の配布もない。
・死亡診断は医師が下されるものであり、疑わしい場合であっても、直接の死因が新型コロナウイルスと の記載がなければ、葬祭業従事者は通常の取扱いをすることになる。
・厚労省は、適切に処置が行われていれば、葬儀式は可能としているが、何をもって適切な処置として るのか、適切な処置とはどういう処置を指しているのか。疑問が残る。
・神奈川県では、数名の感染者が発生している。検案が行われる場合、ディスポーザブルグローブのほか、 検案事情に応じてガウンを着用している。
・遺体の保管について:ご遺族が、ご火葬を希望された場合、火葬時間までのご遺体の保管は、病院がし てくれるのだろうか?火葬場の保管が可能か?現時点では、健康衛生課ならびに火葬場からの通達はない。
・感染症法第三十条三についての確認:一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ感 染症等は、24時間以内に火葬し、又は埋葬できる」という法律は、24時間が経過してから火葬して よいとの理解でよいか?
・式場案内や葬儀相談、見積もり時など、人との近い距離での会話時に備え、目の粘膜に直接飛沫をあび ないようにメガネをかける。
・医療従事者からのコメント:葬祭業者さんがディスポーザブルグローブを着けて搬送する姿を見たこ とがない。
●参加者の現状報告 式場の感染予防対策について
・東京では、新型コロナウイルス感染症が判明している場合は、立ち合いはしていただかない。火葬場に併設される式場においては、ご遺族・参列者合わせて10名程度、ワンデー葬を推奨。
・式場内の焼香台のほか、参列者用の焼香台を式場外に設けるなどして、式場に入る人数を制限している。
・入館時のマスク着用、手洗い(アルコール消毒液の使用)の喚起をしている。
・マスク不足のため、ご遺族から事前に、会葬予定者にはマスクの着用をお願いしていただくことを伝え てもらうようにしている。
・葬儀式場の感染予防については、ご住職の考えを尊重しなくてはならない事情があり、感染予防に理解 のあるご住職ばかりではないため、葬儀社だけでは決められない難しさがある。
・通夜の会食についてはとりやめ、持ち帰り弁当に変更している。
オンライン座談会
橋本佐栄子