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2016/10/12

「エンゼルケア・エンゼルメイク講習会」10月8日開催レポート

10月8日(土)エル・プランナーにて、「エンゼルケア・エンゼルメイク講習会」を開催しました。宮城県、鳥取県、埼玉県、東京都からお越しいただき、緩和ケア病棟や血液内科、混合病棟、特別養護老人ホーム勤務の看護師の方にご参加いただきました。
エンゼルケア・エンゼルメイク講習会は、遺族ケア・感染予防対策上の死後の処置・シンプルなエンゼルメイクの3つのテーマについて学習します。テキストは、『基礎看護技術 感染予防対策上の死後の処置』を使用しています。

患者様のご逝去直後には、看護師には、死後処置を行うとともにご遺族への対応がかせられます。
患者様ご逝去直後のご遺族には、感情がまだ悲しみに至っていないことがあります。なお、ご家族の心が回復するまでの長期間に及ぶグリーフに対するケアではないため、死後ケア時には、グリーフケアとは異なる独自の対応が必要です。そのため、グリーフケアではなく「遺族ケア」と題して、死後ケア時の多様な心情のご遺族への対応の方法を学習していただいています。

受講者様にご遺族への対応の難しさをお尋ねすると、
「患者様ご逝去直後のご家族の状況は、看病をし続けたご家族や病状が急変して慌てて駆け付けたご家族など様々なので、対応が難しい」
「駆け付けたご家族が数人の場合、患者様のご逝去に対する反応が、一人ひとり異なるので、どう対応したらよいのか難しい」
といった内容でした。
遺族ケアでは、テキスト内容の他、死生麻痺・無感動といった従事者自身の職業上の課題やご遺体の取扱いと人称、二次被害などの遺族ケアに関する基本事項も交え、ご遺族への対応の仕方を解説させていただきました。

午後からは、死後ケアとメイクの実習を行い、遺体用圧迫固定法などの死後ケア技術を学習いただきました。死後ケア時には感染予防の考え方と、血液・体液が漏れ出ない処置の実施が必要です。わが国では、多くの病院で標準予防策の考え方に基づいた死後ケアが行われていないのが現状です。医療者の方々には、帰宅後の安全のため、また、院内感染予防のために適切な死後ケアの実施が望まれます。

今回のエンゼルケア・エンゼルメイク講習会では、皆様と一生懸命実習に没頭していて、受講風景の写真撮影をすっかり忘れてしまいました!ご紹介できず、とても残念です。「講習途中で撮れなかったので、終了したら集合写真を撮りましょうね!」と言っておりましたのに、大変申し訳ありませんでした。
「和気あいあいと楽しい講習でした」「感染予防に意識していませんでした」「職員研修に活かしたいと思います」などのご意見を頂戴しました。

ご参加者様、受講いただき誠に有難うございました。今後の死後ケアや病棟研修、介護施設研修にご活用頂けましたら幸いでございます。

エンゼルケア・エンゼルメイク講習会では、「遺族ケア」を学習します。遺体感染管理士認定資格養成講座を受講いただきました皆様をはじめご興味のある方は、どうぞエンゼルケア・エンゼルメイク講習会の受講をご検討くださいませ。ご参加をお待ち申し上げております。

文 橋本佐栄子

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