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2016/10/11

2016年遺体感染管理士2種認定資格養成講座 レポート

10月6日(木)、「2016年遺体感染管理士2種認定資格養成講座」を中野サンプラザにて開催しました。北海道、青森県、宮城県、静岡県、群馬県、神奈川県、東京都からご参加いただきました。
遺体感染管理士2種認定資格養成講座は、葬祭業・(ご遺体)搬送業従事者の方々を対象とした講習会です。2014年から毎年1回開催しており、今年は3回目の講習会を開催しました。

葬祭業は、ご遺体を取扱う職業としての専門性を有します。
葬祭業のご遺体に携わる業務は、おもに搬送・ドライアイス処置(冷却管理)・納棺・死後処置(着衣の装着、出血等の手当てなど)です。その際には、ご遺体からの出血や体液の流出などを伴うため、感染予防を実践することが必要です。

ご参加いただいた葬祭業従事者の方々に、「これまで業務をしていて、ご遺体からの出血に遭遇したことがありますか?」とお尋ねすると、皆様が、「ある」とのお答え。全国的に、葬祭業従事者の方々は、病院からの搬送や帰宅後や検案終了後にご遺体からの出血に遭遇しているのです。
医療では、血液・体液等との感染事故については、職務感染として認定されます。
けれど、葬祭業は、たとえ感染しても、感染経路が特定されないために労災扱いにはなりません。

葬祭業では年々、若い職員さんたちが増えています。
B型肝炎などによる感染は、葬祭業従事者自身の問題であるばかりではなく、夫婦性生活の濃厚接触による感染によって、葬祭業従事者のご主人から奥様へ、奥様の妊娠によって奥様から胎児への母子感染に繋がることがあります。そうなると家族全員が感染症の発症という不幸を招きます。
東日本大震災をはじめ、大規模災害時には、葬祭業は人的支援を行ってきました。支援活動時には、感染リスクを伴います。日頃から感染予防対策を実践していなければ、いざという時、安全に支援活動を行うことはできません。
遺体感染管理士2種認定資格は、感染症の有無が確認できない職業環境下で、すべてのご遺体を安全に差別することなく取り扱うための学習をしたことを証明する認定資格です。これからも一人でも多くの遺体感染管理士2種認定資格者が誕生し、葬祭業の専門性が社会に活かされますことを願っています。

実習では、汚染したグローブの外し方やショートグローブとロンググローブの二重着用など、グローブテクニックの使用法、止血の方法などを学習していただきました。
「簡単なようで、外し方って難しい!」
「旅支度の時、ご遺族にもグローブを付けていただくんですか?」
「首のところに斜めに置いたドライアイスの効果は?」
など、実際の現場で発生する様々なご質問をいただきました。

受講者様、ご参加いただき誠に有難うございました。ご遺族と故人様に学習が活かされますことを願っています。今後ますますのご活躍をお祈り申し上げております。

東日本大震災における支援活動を振り返って

文 橋本佐栄子

実習風景

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